フカシとは、仕上げの納まりや寸法調整のために、コンクリート躯体を構造図の寸法より厚く打つことです。ひらがなで「ふかし」と書いたり、「増し打ち」「増打ち」と呼んだりもします。図面ではカタカナの「フカシ」と書かれることが多いです。
躯体図を作図する際にフカシ部をハッチング表記するなどわかりやすく記載したうえで、施工管理していきましょう。
使われる場面
よく出てくるのは、基礎梁と1階床の間のレベル調整や仕上げとの取り合いです。
基礎梁では、構造天端とスラブ天端の差をフカシで調整します。フカシ部も補強配筋が必要になることもあり、構造図にも配筋要領が記載されていたりします。
次に、外壁で打放し面とタイル張り面の位置をそろえるときもフカシを設けます。サッシの取付けに必要な寸法を確保するときなど、構造上は要らない厚みを納まりの都合で足します。外壁の誘発目地や打継ぎ目地では、目地の深さの分だけかぶり厚さが減るので、それをフカシで補うのも定番の使い方です。外壁のフカシは調整目的なので、補強配筋がない場合が多いです。
施工図の作図・検図の段階で、まずフカシの記載を確認しておく必要があります。施工の段階でも、墨出し、フカシ筋、型枠位置など管理ポイントは多くあります。あとからフカシ部を構築しようとしても、コンクリートの一体化を図るために目荒しが必要になり、補強配筋の定着も難しくなります。
どこまでが構造寸法でどこからがフカシかを図面で明確にし、フカシ部の補強配筋も含めて施工を確認しましょう。
構造上の扱い
フカシ部分は、一般に構造断面には算入しません。あくまで納まり調整のための部分という扱いになります。一方、フカシの重さは固定荷重として見込みます。
フカシが構造設計で見込んだ厚さを超える場合は、荷重の面でも検討が必要になることがあるので、構造設計者に確認しておきましょう。
厚いフカシは鉄筋の入らない層になり、かぶり厚さも過大になります。フカシ寸法が大きくなりすぎるとひび割れや剥落にもつながるので、適切な厚さ管理と施工打ち合わせが欠かせません。補強筋(フカシ筋)を入れるか、どの寸法から入れるかは、設計図書の特記と監理者との協議で決めておくのが確実です。
関連語
- フカシ筋:フカシ部分のひび割れや剥落を抑えるために入れる補強筋
- かぶり厚さ:鉄筋の表面からコンクリート表面までの最短距離
- 誘発目地:乾燥収縮によるひび割れを集めるため、壁などに設ける溝
- 型枠:コンクリートを所定の形に成型する仮設の枠。フカシはせき板の位置で調整する
フカシは図面の隅に小さく書かれがちで、拾い漏れると型枠を組んだ後に発覚します。施工図の段階で位置と寸法を一覧にして、数量と監理者の承認まで一緒に押さえておきましょう。





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