現場水中養生(現水養生、工事現場における水中養生):コンクリート供試体の養生法解説

コンクリート工事では実際に打ち込まれたコンクリートの強度確認のために供試体を採取します。
採取した供試体は材齢28日など、一定期間の強度発現まで養生する必要があります。

養生方法には、標準養生、現場水中養生、現場封かん養生、あまり聞きなれないものとしては、構造体温度追従養生といったいくつかの養生方法があります。
単に養生方法が違うだけでなく、発現強度を確認するための判定強度に違いが生じますので、それぞれの違いを把握しておくことは重要です。

今回は、現場水中養生について養生の種類と現場での注意点を解説していきます。

現場水中養生(現水養生)とは

現場水中養生とは、コンクリート供試体の養生方法の一つです。
標準仕様書では、工事現場における水中養生と記載されています。長いので名称として現場水中養生または現水養生、水中養生などと記載されることがほとんどです。

実際の工事現場内で、容器に水を満たし、その中にコンクリート供試体を養生する方法です。

工事現場での気温の変化に追従して水温が変化するため、実際に打ち込まれている構造コンクリートの養生に近い条件で供試体を養生できることが特徴です。

現水養生が用いられる場合

現場水中養生は、工事現場で採取するコンクリート供試体のうち、Fc36N/㎟以下の構造体コンクリート強度試験のための供試体および型枠脱型強度等確認のための供試体に適用されています。

なお、調合管理強度のための供試体、Fc36N/㎟を超える高強度コンクリートの調合管理強度および構造コンクリート強度のための供試体としては、標準仕様書・JASS5ともに規定されていないので他の養生方法を採用する必要があります。

その他の養生方法として、標準養生や現場封かん養生、構造体温度追従養生など供試体の養生方法はいくつかあるのですが、実際に打ち込まれている構造コンクリートの養生に近い条件という特徴から、供試体と実際のコンクリートの強度差が小さい養生方法であるといえます。

現水養生を採用する場合の管理ポイント

現場水中養生は、構造体コンクリート強度確認のための供試体として用いられます。

供試体と実際に打ち込まれたコンクリートの強度差が少ないことから、発現強度を確認するためには有効な方法ではありますが、現場で養生する分、現場監督が適正な養生方法を理解し、管理する必要があることは忘れてはなりません。

現場水中養生は現場の外気温に追従しますので、供試体は外部に置くことが必須です。
置き場がないからといって、クーラーが効いた詰所(休憩所)で養生してしまっては何の意味もありません
また、28日の間養生することになりますので、水が蒸発して供試体が水中より出てしまう可能性もあります。蓋をしたり、適宜、水温にあまり影響ない範囲で水を補充したりと管理していきましょう。

さらに、現場水中養生は外気温の記録も必要になってくるため、管理の手間がかかります
現場水中養生を行った供試体の強度判定は標準仕様書では以下のように規定されています。

6.9.5 構造体コンクリート強度の判定
(ア)工事現場における水中養生供試体の材齢28日の圧縮強度試験が、次を満足すること
 (a)材齢28日までの平均気温が20℃以上の場合は、1回の試験結果が、調合管理強度以上であること。
 (b)材齢28日までの平均気温が20℃未満の場合は、1回の試験結果が、設計基準強度に3N/㎟を加えた値以上であること。

出典元:公共建築工事標準仕様書(建築工事編) 平成31年版


まず、供試体の養生方法により、強度判定のための強度が変わることは覚えておくようにしてください。

現場水中養生を採用した場合、平均気温によって、判定強度が変わる点に注意が必要です。
標準養生は一定範囲の水温に保つ養生方法ですが、現場水中養生の場合は、気温変化に水温も追従します。そこで、材齢28日の平均気温が20℃以上かどうかで判定強度が変わります。現場水中養生を採用した場合、養生期間中の気温の記録を忘れないようにしましょう。

なお、標準養生を採用した場合は、平均気温によらず、1回の試験結果が、調合管理以上であること。という統一した判定基準になります。
それぞれの養生方法の違いを理解しておかないと誤った判定基準で現場管理をしてしまうリスクが伴いますので注意しましょう。

おわりに

コンクリート供試体の養生方法、現場水中養生を解説しました。
現在の標準仕様書では、構造体強度の判定基準として、標準養生が記載されていますが、数版前では、標準養生が記載されていませんでした。そのため、設計図書にて供試体の養生方法として現場水中養生が残っている場合や年配の現場監督は現場水中養生をしないといけないと思い込んでいる方もいます。

現場水中養生でも適正な養生方法ですので、採用する分には問題ないのです。
しかし、養生方法の違い、強度判定の違いをしっかり理解して適正な養生管理、コンクリート発現強度の管理ができるようにしておきましょう。

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