コッターとは? 役割と建築現場で用いられる箇所を解説

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建設工事おけるコッターについて解説していきます。

ただ、コッターは用いられる部位によって意味合いや役割が大きく異なるので、ここではコッターといった場合の大枠の認識とそれぞれの用いられる場所などを解説していきます。

各コッターの詳細は、別記事にて随時エントリーしていく予定です。

目次

コッターとは

コッターとは、相互の部材を接合するために部材に欠け込みを設けて、接合部の一体化を図ることです。
「シアコッター」と呼ばれることもあります。

直接的な意味として、クサビの意味合いがあるので、機械的な分野であれば欠きこみや穴開けした箇所に打ち込むクサビのことを指します。

コッターが用語定義として明確になっているのは、PCa(プレキャストコンクリート)工事くらいではないかなと思います。

PCa工事においては、PCa部材の同士の一体化やPCa部材と現場打設コンリートの一体化を保つために設けるものとして説明書きがある場合があります。

しかし、実際のコッターという名称はPCa部材以外でも使われいたり、PCa部材のコッターでも単に一体化のためだけでない利用用途もあります。

コッターの役割

部材の一体化高めるコッター

まずは、説明文でもあったようにPCa部材の部材の一体化を保つために設けるコッターです。

PCaを使わない在来工法においてもコンクリートの打ち継ぎ面は粗面とすることで一体性を高めることが求められています。
こちらは建築工事標準仕様書ではなく、工事監理指針などに記載がありますが、基本的には特記によるとの記載もあります。

要は、現場打ちとなる箇所に凹凸を設けることです。この凹凸がどこまで必要かはあまり定義がありません。

在来工法の粗面も定義がありませんし、どこまで凹凸が必要かは定義しにくいところです。
PCa工場やコンクリートの関連団体などが研究している領域かと思いますし、具体的な根拠が出てくればうれしい限りです。

PC部材においては現場打ちとの接続部にクシ引きとしたり、粗面仕上げとしています。

せん断力を期待するコッター

次にせん断力として期待するためにコッターを設ける事例です。

先ほどの一体化のコッターでは粗面・凹凸を設けることでしたが、同じPCa工事において、せん断力を負担するためにコッターを設ける場合があります。

例えば、小梁をPCa部材として、大梁を在来部材とした場合を考えてみましょう。

PCa部材である小梁は、重量があるため、架設時は受け足場やサポートで支持されていることでしょう。この後、大梁の現場打ちコンクリートを打設した後は、なるべく早めにこれらのサポートを解体したくなります。

そこで小梁の自重によるせん断力をコッターの部位で負担できないかと計画することがあります。

この場合は、コンクリートどこまで打設しているのか、上端主筋は定着されているかなどによって工事監理者や構造設計者と十分な協議が必要です。

安易に採用できるものではなく、ノウハウや管理手法を多く問われることになるでしょう。

構造耐力として期待するコッター

最後に構造耐力として、期待する部位のコッターの紹介です。この部類は私も知見があるわけではありません。

コッターとは、部材同士の接合を目的としていますので、耐震補強の分野でも既存躯体とあらたに設置する補強耐力壁を一体化させる必要があります。

ここでも凹凸を設けて既存躯体と補強壁を一体化させることに変わりはありませんが、認定を取った工法として、鋼管コッター工法などがあります。

おわりに

コッターとは、部材同士の接合のために欠けこみ・凹凸を設けて一体化を図ることが共通の認識です。

一体化を図った後にどのような荷重がコッター部に作用すること期待するかによって、意味合いや用いられる工法が変わってきます。

いずれの方法においても適当に設ければいいというものではなく、構造力学・構造計算を要する可能性がある検討です。

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