設計基準強度Fcとは?-用語の説明と現場での管理ポイント-

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設計基準強度とは

コンクリート工事には、コンクリートの強度を示す用語として、設計基準強度Fcや品質基準強度Fq、調合管理強度Fmといった強度の定義があります。

それぞれの違いをしっかり把握しているでしょうか。

設計図書の構造特記には設計基準強度Fcが基本的に記載されていますが、現場で発注する呼び強度Fとの関係性をきちんと整理して説明できるようにしておきましょう。

目次

設計基準強度Fcとは

設計基準強度Fcとは、構造設計に用いるコンクリート圧縮強度のことです。

構造設計において、コンクリート強度は、圧縮力や鉄筋との付着力といった構造耐力を決める要素として重要なものになります。

構造設計は設計基準強度Fcで計算されていることから、実際に工事現場で打ち込まれているコンクリートの強度がこの強度を下回ることがあってはいけません。

したがって、現場で発注する強度は設計基準強度以上となるように強度の発現のバラツキなどを考慮して決定されます。

コンクリート強度用語の関係

コンクリート強度の用語としては、設計基準強度Fcのほかに耐久設計基準強度Fd、品質基準強度Fq、調合管理強度Fm、呼び強度F、そして、調合管理強度を決めるための構造体強度補正値mSn(S値)などがあります。

それぞれの用語の説明は、随時記事を更新していきますので、ぜひご覧ください。
それぞれの強度は関係があり、その関係図は以下のようになります。

コンクリート強度(耐久設計基準強度Fd,設計基準強度Fc,品質基準強度Fq,構造体強度補正値mSn,調合管理強度Fm,呼び強度F)の関係図

設計基準強度Fcを満足するための現場管理

設計基準強度Fcは構造体強度として、必ず満足する必要があります。

しかし、実際に打ち込まれたコンクリートの圧縮強度試験を実施するには、コア抜きなど行う必要が出てしまいます。
強度試験として、コア抜きで供試体を採取する場合もありますが、基本的には構造体を傷つけたり、よく探知しておかないと鉄筋を切断してしまったりとリスクがあります。
そこで、強度試験用の供試体を採取することがほとんどです。

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また、供試体の採取も適切な方法で採取しないと、供試体と実際に打ち込まれたコンクリートで強度差が生じてしまう可能性もあります。
ここでは、コンクリートの基準強度を満足するための現場監督の施工管理のポイントを紹介します。

配合設計の管理ポイント

コンクリートは、生コン工場で練り混ぜ、現場に生コンの状態で納入される製造材料です。
工場製造ですので、必ず強度発現にはバラツキが生じます。

しかし、バラツキがあるからといって設計基準強度を満足しない強度のコンクリートが打ち込まれることはNGとなります。

そこで、設計基準強度Fcを満足するように、構造体強度補正値mSnを加え、調合管理強度Fmを決定します。

構造体強度補正値mSnは、コンクリートを打設する時期やコンクリートの強度によってその値が変化します。

また、JISコンクリートではなく個別に大臣認定を受けたコンクリートを使用する場合は、構造体強度補正値も認定項目になっていることが多く、一般的に適用図書・参考図書して用いる「公共建築工事標準仕様書」や「建築工事標準仕様書 JASS5」といった文献にうたっている値とは異なることに注意が必要です。

供試体採取時の管理ポイント

構造体コンクリートの強度管理は、生コン工場から納入されたコンクリートをアジテータ車から採取して、コンクリート圧縮強度試験用の供試体を作成して圧縮試験をすることで管理します。
現場監督の管理ポイントの一つに材料検収があります。コンクリートはスランプなどを測定する受入試験と供試体の作成がコンクリート打設時に現場監督が確認すべき項目の一つになります。

受入試験をただ写真に入るだけだと思ってはいないでしょうか。
受入試験の結果は確認していると思いますが、供試体の作成方法は確認していますでしょうか。

コンクリート供試体の採取、作成方法はJISによりその手順が決められています。

コンクリート供試体は、一般的には直径100mm、高さ200mmの円柱型で作成されます。
ただし、実際に打ち込まれるコンクリートは柱であれば1000mm角などと大きさが全く異なります。

た、実際に打ち込まれるコンクリートはポンプ車で圧送され、棒型振動機などを用いて充填していくので、供試体の作成条件は、必ずしも現場と同じというわけではありません。

JIS規定通りに供試体を作成すれば、大きな差は生じないと思いますが、供試体はサイズが小さいので、充填不良が起こる可能性は低いです。

また、配合比率と大きく異なるようにセメント量過多で供試体を作成したり、必要以上に突き棒で突くといったことにより、供試体強度は少し操作が可能ではあります。

実際は、JIS規定外の方法で供試体を作成する試験者はいないかと思いますが、現場監督としては試験の方法も打設ごとに一回は確認しておく方がよいのではないでしょうか。

コンクリート打設時の管理ポイント

最後にコンクリート打設時のポイントです。現場打設においては密実なコンクリートを打設することが重要です。

実際に打ち込むコンクリートは供試体の採取とは異なり、ポンプで何メートルも圧送したり、鉄筋があったりと密実なコンクリート打設を阻害する要因が多くあります。

材料分離しないように柱内にポンプ車のホースを突っ込んだり、十分に棒型振動機を挿入したり、コールドジョイントを防ぐように打設手順を検討したりと管理ポイントは多岐にわたります。

コンクリート打設日の現場監督は、生コン打設にただ付いているだけ、最後の生コン数量を調整するだけの存在ではないことを理解しておきましょう。

おわりに

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コンクリート強度の用語の一つである設計基準強度Fcの説明とそこから派生して、実際に打ち込まれたコンクリートが設計基準強度Fcを下回らないようにするための現場管理ポイントを解説しました。

コンクリート工事は、打設当日は丸一日現場に張り付いていないといけなかったりすることから、若手の現場監督が担当することが多い工種です。
ただ、打設後に不具合がわかってしまえば、コンクリートは固まってしまってますので、斫り壊す打設し直しという大掛かりな手直しが必要になることあります。

まずは用語の定義をしっかりと確認して、密実なコンクリートを打設できるように知識をつけていきましょう。

設計基準強度とは

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