建築現場では様々な道具、材料があります。
建築・現場用語集といった書籍があるくらいです。新入社員の時などは、作業員さんの話が暗号のように聞こえましたし、今でも知らない言葉たくさん出てきます。
知らない、新しい用語に出会った時でいいので、その意味を調べて一つ一つ身に着けていきましょう。
今回は、その中から建築道具の一つ、コンベックス・メジャー・スケールについて紹介していきます。
コンベックス、メジャー、スケールとは?
コンベック、メジャー、スケールいろいろな呼び方がありますが、すべて同じ道具のことを指しています。
施工管理に限らず、みなさんの家にも1つは置いているかもしれません。
これらは、長さを測るための巻き取り式の物差し(巻き尺)の一つです
コンパクトで、ベルトに取り付けられるアタッチメントもついていたりするので、コンベックスは作業員だけでなく、現場監督も安全帯につけています。現場監督が持つべき仕事道具の代表格といっても過言ではないでしょう。
なぜ呼び方が違うのか。
呼び方が複数あるというと、商品名が定着したものとかよく聞いたことがあると思います。
しかし、コンベックスなどに関しては商品名が定着したということではなく、単に呼び方が複数あります。
また、長さを測る道具としては、巻き尺もあります。みなさんも運動会の時など、長さ50mの巻き尺を使用したことはないでしょうか。
それぞれ形状や素材などにより、呼び方が異なるのですが、現在では細かい区別はありません。
腰につける小型のコンベックスなどのことはあまり巻き尺とは言わないので、そのくらいの違いかもしれません。
コンベックス
コンベックスは、凸状の~を意味する英語です。
金属製の目盛りのコンベックスは、その断面が湾曲しています。おそらく巻き取り時にスムーズに巻取りできるようにと割れ防止かと思います。
スケール、メジャー
スケールは目盛りを意味する英語です。scaleと書きますね。またその他の意味として、尺度という意味も持ち合わせていますので、設計図などで1/100など縮尺して表現しているものも1/100スケールなどと使われたりもします。
メジャーは測定するという意味の英語です。measureと書きます。メジャーリーグなど主要とかを意味するものとは別の単語です。
いずれにせよ、コンベックスは形状から、スケール、メジャーは測定を意味する単語から来ています。したがって、コンベックス、スケール、メジャーどの言葉でも通じます。
建築現場でよく聞く言葉としては、コンベックス(またはコンベ)かスケールが多いでしょうか。
建築現場でよく見かけるコンベックス
建築現場でよく見かけるのは、タジマ製のコンベックスでしょうか。
まず、コンベックスは100均などでも見かけますが、仕事として使うものとしては100均は避けておきましょう。
コンベックスにはJIS規格があります。
100均の商品はただ目盛りを印刷しただけに過ぎないので、精度が正しいとは限りません。プロとしてきちんとした道具は揃えておきましょう。
長さ、幅は種類がありますが、現場でよく見るのは、長さは5.5mか7.5m、幅は19mmか25mmでしょうか。
いろいろ種類があるのですが、長ければその分大きくなりますし、ただ長い距離を測ろうとすると、ある程度テープに幅がないとしなってしまいます。
使いやすいものを選びましょう。
また、爪の先端にマグネットが付いた商品もあります。測定するときに鉄筋や軽量鉄骨下地(LGS)、設備ボックスなどの金属物に固定できるので非常に便利です。
さらに型枠内にい落ちたちょっとした結束線の金属ごみを拾う時にも何かと便利です(笑)。
長さの測り方は2種類
コンベックスには長さの測り方、正確に言えば0(起点)の取り方が2種類あることをご存じでしょうか。
コンベックスは0起点に爪付きの金具が取り付けられています。
さらにこの金具は少し動きます。
なぜ、金具が少し動くのでしょう。
この爪の働きをしっかり理解しておかないと測定したときに数ミリの誤差が生じます。
建築現場は図面の基本単位がミリです。
ミリ単位の精度が求められる仕上げなどもありますので、しっかりりかいしておきましょう。
爪付き金属が前後に少し動く理由としては、測定する際に、何かに爪を引っ掛けて測定するのか、それとも壁などに爪をぶつけて測定するのかの違いにより、爪の厚み分数値が異なるからです。
爪を引っ掛けて測定する場合
モノに爪を引っ掛けて測定する場合、爪の内側が起点となります。
この時に、正確な測り方として、しっかりと引っ張るということが必要になります。爪の動き(遊び)を目いっぱいに引っ張った状態が正確な長さです。
爪をぶつけて測定する場合
壁など引っ掛ける場所がなく、爪をぶつけて測定する場合、爪の厚み分だけ余分に測定することになります。
したがって、爪の遊びがなくなるまでしっかりと押し付けることがことが、正確な測定には必要です。ただ、押さえつけすぎて、曲がってしまわないようには注意しましょう。
爪付き金属の遊びは測定のやり方によって異なります。このことを十分に理解して正確に測定していきましょう。
建築現場においてメジャーな測り方
建築現場においては、0mmを起点にする測定だけではなく、100mmを起点にして測定する方法があります。
むしろ、墨だしなどで用いる測定方法は100mmを起点とする測定方法のほうが主流といえます。
その理由としては、0mmつまり、爪付き金属では、しっかりと測定ポイントに合わせることができないからです。
墨だしなどの場合床に出した墨から長さを測定します。この際、この墨に0を合わせようとしても、先ほど説明した爪が少し動くというだけでなく、爪の分地面から浮くことになりますのでしっかりと当てられません。
そこで起点を100mmに合わせる測定方法を取ります。
この起点を100mmとすることを「100切り」と呼びます。
例えば、500mmの長さを測定したい場合、起点を100mmから始めるので、測定値は600mmになります。
ここで間違って、500mmの目盛りの位置を追ってしまうと、実際には400mmなので、測定誤差が100mmも生じてしまいます。
この凡ミス、建築現場では結構あるあるで、特に距離がある場合で、一人が起点を押さえてほかの人が測定値を読み取るときなど、お互いに声掛けしておかないと100mmの誤差が生じてしまします。
100切りミス、気を抜くと本当にすぐ発生してしまいます。
そして測定時は、100mm間違っているとはよもや思っていませんので、実際に気づくのはだいぶ後です。
どこかのタイミングで間違いに気づけばよいのですが、場合によっては取返しのつかないことになりかねません。ほんと注意しましょう。
おわりに
建築道具として、コンベックス、スケール、メジャーを紹介しました。
建築に限らずよく見る道具ですが、呼び方がいろいろあるので、同じものを指していることは理解しておきたいところです。
また、建築現場での測定方法も紹介しました。100切りミス、、、私も何度かやらかしました。ミスに気付いた時の絶望ほんとハンパないです。皆さん注意しましょう。
冒頭でも述べたように建築現場は知らない言葉が本当に多く出てきます。
建築用語辞典など携帯して、知らない言葉が出てきたら都度調べる癖をつけておきましょう。様々なものがありますので、現場経験など自身のレベルに合わせてどれか1冊は手にしておくと便利です。
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