スタイロフォームの種類と使い分け

建築物において断熱材として広く用いられるスタイロフォーム。
現場においては、建材屋に「スタイロフォーム厚さ30mmを○○枚」などと厚みだけを指定して注文することが多いかと思います。しかし、スタイロフォームには厚さだけでなく、性能による種類があることをご存じでしょうか。

一般的に何も言わず、スタイロフォームを持ってきてと言うと、1bC種が持ってこられます。スタイロフォームの製品自体に「スタイロフォーム IB」と書かれているものです。

では、1bC種(IB)とはどういった性能を有したスタイロフォームなのでしょうか。また、設計図にスタイロフォームの性能が規定されていた場合、どう対応すればよいのでしょうか。

今回は、スタイロフォームの種類による違いに着目して解説していきます。

スタイロフォーム

スタイロフォームは、主に建物の断熱材として多く用いられる建設材料です。
スタイロフォームとは商品名であり、押出成形ポリスチレンフォーム断熱材が一般呼称になります。
スタイロフォームは、内部に無数の独立した気泡が入っています。この気泡内に熱伝導率が小さいガスが封入されており、断熱性能を有しています。
このガスが抜けてしまうと、断熱性能は低下してしまいますが、実際にガスが抜けるまでは何十年とかかり、建物の供用年数分は十分に断熱性能を有することができるものとされています。

スタイロフォームの種類

スタイロフォームの基本知識を理解したうえで、実際にスタイロフォームの種類を確認していきましょう。
スタイロフォームは日本工業規格(JIS)において建築用断熱材として、規定されています。

細かく分かれておりますが、すべての規格が商品としてあるわけではありません。ここでは建築現場において一般に使用する種類の違いについて紹介します。

スタイロフォームの種類は「1bC」といったように、数字・小文字のab・大文字のA~Dと種類が分けられています。なお、3種においては大文字のA~Dの後にさらにローマ数字でⅠ~Ⅲと種類が分けられます。
小文字・大文字と同じ文字があるのでわかりにくいですが、数字と小文字a,bが一つのセットで大文字A~Dによってさらに分かれると考えていただければ結構です。

次の章から、スタイロフォームの選定などにかかわる代用表的なちがいである「1.強度の違い」、「2.断熱性能の違い」を説明してきます。

圧縮強さ・曲げ強さによる違い

スタイロフォームは土間に設けられる場合など荷重を受けることになります。また、商品によっては型枠のせき板と兼用できる商品もありスタイロフォーム自体の強度を確認する必要があります。
また、施工中の人の通行などによって、バキバキに割れてしまい隙間だらけになっては、断熱材としての効果を発揮できません。

圧縮強さ・曲げ強さは1種b、2種b、3種a・bで変わってきます。

1種bは圧縮強さが16N/cm22種bは18N/cm2、そして3種bは20N/cm2として規定されています。また、曲げ強さは、1種bで20N/cm22種bで20N/cm2、そして3種bで25N/cm2と規定されています。

なお、3種aは圧縮強さが10N/cm2となりますが、商品として3種aのものは現時点ではありません。また、1種・2種においてはaというものはJISの規定に存在しません。

従って、基本的には数字のちがいにより圧縮・曲げ強さが違うというのを理解しておけばよいということになります。

土間の場合は、床付けの時に不陸調整をして、スラブ配筋の時もプレート付きのバースペーサーを採用すれば採用すればよいです。

一方、ピットの場合で、スタイロフォームを型枠材の一部として使用しコンクリート荷重や支保工荷重を受ける場合はスタイロフォームの圧縮耐力・曲げ強さを必ず確認して、型枠支保工の計画を作る必要があります。

断熱性能による違い

スタイロフォームは断熱材としての機能が第一ですので、種類に応じて断熱性能(熱伝導率)が規定されています。

断熱性能は、熱伝導率(単位:W/(m・k))であらわされ、値が小さい方が断熱性能を有していることになります。
各種類と熱伝達率の規定値をまとめると以下のようになります。

つまり、数字が大きいほど、大文字のアルファベットが後であるほど断熱性能は良くなります。

単位から見てもわかる通り、分母が長さと温度だけですので、3bCで30mmのスタイロフォームが設計図に記載されており、現場で間違って1bCとしてしまった場合、同等の断熱性能を有しようとすると1.5倍の厚さ45mmにする必要が出てしまします。

スタイロフォームの主目的は断熱性能の確保ですので、必要な断熱性能を必ず確認して、適正な熱伝達率と断熱材の厚さを確保しましょう。

建設現場で一般に用いるスタイロフォーム

建築現場で一般的に用いるスタイロフォームは1bC種となります。

スタイロフォームを製造している「デュポン・スタイロ(旧:ダウ化工)社(会社リンク)」の商品であれば、1bC種に該当する商品は、「スタイロフォームIB」となります。I(アイ)B(ビー)ですので、性能による種類区分とは少し異なることは注しておきましょう。

なお、IBより優れている商品であれば「スタイロフォームB2」となります。「スタイロフォームB2」は2bA種の規格に適合しています。その次は、「スタイロエース-Ⅱ」という商品で3bA3種となります。

設計図書に必要断熱性能だけが記載してあったり、種別で記載がある場合は、必ずカタログと見比べて採用するスタイロフォームを選定して、断熱不足とならないように注意しましょう。

まとめ

スタイロフォームについて解説しました。

スタイロフォームは種類があり、その種類によって、断熱性能が性能が変化することを十分理解した上で、設計図書の確認と現場管理を実施していくようにしましょう。
また、スタイロフォームの規定は今回上げた圧縮・曲げ強さ、断熱性能以外にも規定がありますので、気になる方は知らべてみてください。

なお、現場管理においては、スタイロフォームが隙間なく適切に敷き詰められているかも重要なポイントとなります。

スタイロフォームがいくら断熱性能に優れているからと言って、現場での施工が隙間だらけになっていたり、作業によってバキバキに割れてしまっていては、ヒートブリッジとなってしまい何の意味もありません。

断熱性能は、竣工してからの対策が非常に難しいです。
材料選定・現場管理を徹底して、「よい建物」を作っていきましょう!!

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