施工計画

SD295とSD490の違い

SD295とSD490の違いをJIS、現場管理、構造設計の観点から解説 施工計画

SD295とSD490はともに異形鉄筋の規格による種別です。
その違いは、記載の通り295と490という数値に違いがあります。

295と490がそれぞれ何を表しているのか、また、SD295とSD490で現場管理でのポイントおよび採用場所による違いを解説していきます。

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SD295とSD490が表す意味

まず、名称からも違いが分かる295と490が示す数字について違いを説明していきます。

異形鉄筋のJIS規格の場合、この数値は下位降伏点の強度を示しています。

以下に示すような応力ひずみ線図・ヤング係数図を建築に携わる人であれば、一度は見たことがあるでしょう。

ヤング係数、応力ひずみ線図

異形鉄筋の鋼種の数字である下位降伏点は、応力を受けても鉄筋が弾性域でとどまる最大強度を示しています。
これ以上の荷重が作用すると、塑性域となるため、地震などによる大きな荷重を受けると鉄筋が曲がったり、引張られて断面径が細くなってしまいます。その状態でさらに大きな荷重が作用した場合などに建物自体が耐えうることができません。

また、鋼材の場合、下位降伏点は他の言葉で、短期許容応力度としても表されます。
つまり、構造設計を行うにあたり、降伏点(短期許容応力度)とは非常に重要な数値です。

下位降伏点が295N/㎟であるSD295と下位降伏点が490N/㎟であるSD490では、当然、数字が大きい方SD490の方が、より短期許容応力度が大きくなるので、地震等による荷重が大きく作用する部位に採用されます。

JIS規格における強度などの機械的性質の違いは以下のように規定されています。

SD295とSD490の機械的性質の比較表
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JIS規格の化学組成規定による違い

JIS規格には、強度などを規定する機械的性質と別に鉄筋の組成に関する規定があります。
鉄筋は構成によって、硬さや靭性などの性質が変化します。また、少なからず強度に影響を与えるような不純物がまぎれることもあります。

そこで、一定の品質を担保するためにも材料の溶鋼分析値の規定があります。
SD295とSD490の規定の一覧を以下に示します。SD490の方が強度が高い鉄筋ですので、基準も厳しめに設定されていることがわかります。

SD295とSD490の化学組成・溶鋼分析値の違い

その他JIS規格

JIS規格は材料規格ですので、強度や化学組成の規定以外にも製造誤差に関する規定や製造後の試験に関する規定もあります。

これらは鋼種より鉄筋径による規定の違いがほとんどです。
ただ、詳細は後述しますが、SD295とSD490では、基本的に鉄筋径が違うことがほとんどです。 SD490は柱主筋などの太径鉄筋に採用されますので、おのずと製造誤差の規定についても違いが生じることにはなります。

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現場管理でのポイント

採用する鉄筋強度は設計図書に記載がありますが、基本的には鉄筋径によって鋼種が定められてます。
多くの場合は、以下のように記載している設計図書が多いかと思います。
※特殊鉄筋を使用したり、この限りでない場合があるので必ず設計図書を確認ください。

異形鉄筋の鉄筋径と鋼材種の組み合わせ
  • D10~D16:SD295
  • D19~D25:SD345
  • D25~D51:SD490

もちろん、D13で鋼種SD345などの鉄筋も製造されていたりはしますが、建築工事においては多くの場合、上記したような鉄筋径と鋼種の組み合わせが採用されます。

これは、多くの設計で採用されています。
ある程度の製造流通があり価格が安定していることや強度バランスに優れているといったメリットがあるためです。

基本的にSD490は太径鉄筋に採用されますので、柱梁の主筋など主要な箇所に採用されます。
一方、SD295は異形鉄筋のJIS規格の中で最も汎用的な鋼種であるので、スラブ、柱フープ、梁スターラップ、壁など多くの箇所に採用されています。

また、実際に現場でSD295とSD490の鉄筋が納品されたときは、鉄筋自体を確認することでも見分けることができます
鉄筋には圧延マークと呼ばれる表示がだいたい1m間隔くらいでつけられています。

異形鉄筋の圧延マーク・ロールマークの見分け方

上の写真のように圧延マークは、鉄筋製造メーカー、鉄筋径、鋼種が分かるようになっています。
鋼種は突起の数で判断します。 SD295の場合は、突起無し、SD490の場合は突起3つになりますので、材料納品の際に必ず確認するようにしておきましょう。

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採用場所による違い

先ほどの現場管理での違いの箇所でも述べたので、重複しますが、異形鉄筋の鋼種は鉄筋径によってきめられていることがほとんどです。

たとえば柱主筋を例にとると、柱には大きな荷重が作用することになりますので、鉄筋もSD490など高強度の鉄筋を採用します。
SD490の降伏点に対して、必要な鉄筋本数を構造計算によって算出しています。

SD295のような低強度の鉄筋を作用することも計算上は可能ではありますが、SD490と同程度の強度を確保しようとすると、鉄筋の本数がとんでもない数になってします。
鉄筋の数が多くなると、配筋が困難となったり、コンクリートの充填がうまくできなかったりと施工的にもデメリットが生じます。 また、設計コストも無駄が生じてしまします。

そこで、地震などによる大きな荷重が作用する柱・梁の主筋や建物用途によって重量物が載るような箇所に太径の鉄筋が採用されることになります。

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おわりに

SD295とSD490の違いについて解説しました。
SD295とSD490では、強度に違いがあることをまず理解しておきましょう。

SD295とSD490では鉄筋径に大きな違いがあるので、見間違えること自体はあまりないかもしれませんが、現場においては配筋間違いが起きないように圧延マークを確認するように心がけましょう。

建築には、様々な工種・材料・規基準があります。 一つ一つが何を示すか完全に覚えることは難しいですが、配属した現場の建物特徴・担当工事など少しずつ覚えていきましょう。

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