鉄筋コンクリートの比重・密度は2.4~2.5t/㎥はなぜか。

鉄筋コンクリートの比重・密度を知っているでしょうか。
建設工事において、日々のクレーンの手配や型枠支保工の強度計算をしたり、プレキャスト部材の設計・施工計画をするときなどに重さ・比重という要素が重要になります。

表題にある鉄筋コンクリートの比重というと2.4~2.5t/㎥(※2.45t/㎥とする文献もあり)が一般的に用いられる数値です。

では、鉄筋コンクリートの比重とはなぜ、2.4~2.5t/㎥なのでしょう。鉄筋コンクリートには、鉄筋の部分とコンクリートの部分があります。それぞれどのくらいの比重になるのでしょう。
今回は鉄筋コンクリートの比重を深堀していきます

比重・密度とは

まず、比重・密度とは何かを簡単に説明しておきます。

密度とは、単位体積当たりの重量となります。
水の場合、密度は1.0t/㎥となり、鉄の場合は7.85t/㎥となります。それぞれの物質ごとに単位体積当たりの重量定義が密度となります。

また、密度は意味のままの名称として、単位体積重量として表現されています。建築でもよく用いる標準仕様書やJASSといった文献では、単位体積重量との記載が主ですし、単位体積重量のほうがなじみがあるかもしれません。
※密度を用いる言葉として、人口密度といった表現もあるようように単位体積に限らず、単位面積であったりと言葉が使われることもあります。


つぎに、比重とは、その文字のとおり重さの比となります。
何の重さと比較するのかというと、一般的に水や空気となります。材料の分野においてはもっぱら水の重さとの比較になります。
したがって、水の密度(単位体積重量)と対象となる物質の密度の比となります。先ほどの鉄の密度を例にとると、水の密度との比較ですので、7.85/1.0 = 7.85となります。

研究の世界などでは、比重算定の基準重量が異なってくると思いますので、比重と密度を厳密に区別する必要があるのでしょうが、僕たちが扱う分野においては比重≒密度という認識でもほぼよいとは思います。
なお、ここでは比重という言葉で統一します。
また、比重というと単なる比ですから、単位も無次元だとは思います。記事の便宜上、比重と書きながらも単位はt/㎥またはkN/㎥としています。

鉄筋コンクリートの比重

さて、それでは本題に入っていきましょう。
まず、結論から先に述べておきます。この基準の序文やアイキャッチ画像にも掲載しているのですが、

鉄筋コンクリートの比重は、2.4~2.5t/㎥(24.5kN/㎥)となります。

ただし、後述しますが、あくまで一般値であって、高強度コンクリートであったり、鉄筋が密に配筋されている場合では異なってきますので留意が必要です。

コンクリートの比重

鉄筋コンクリートの比重が2.4~2.5t/㎥と分かったところで、ここからは鉄筋コンクリートを構成しているコンクリートと鉄筋に分けて、その根拠を探っていきましょう。

一般的に用いられる比重値

コンクリートの比重ですが、先ほどの鉄筋コンクリートの比重と同じように一般的に採用される値があります。

普通コンクリートの比重:2.3t/㎥

高強度コンクリートの比重:2.4t/㎥

コンクリートの比重は、コンクリートの強度によって少し異なってきます。
コンクリートは水・セメント・細骨材・粗骨材・混和材などによって構成されていますが、それらの割合が強度によって異なってきます。コンクリートの強度は、水セメント比で決まると聞いたことはあるでしょうか。
つまり、高強度コンクリートになると、水の量が減り、セメント量が増えるというのが一般的な認識です。おのずと、比重も大きくなります。

材料から比重を算定する

ここからは、実際のコンクリートの配合から比重を算定してみましょう。
先ほども述べたようにコンクリートは強度により、材料配合が異なるので比重が変化します。また、強度だけでなく、各プラントにより使う細骨材、粗骨材にも違いがみられます。
ここでは、あくまで私が経験した現場での配合を基に算定していきます。

皆さんは、コンクリートの配合計画書をしっかりと確認したことがあるでしょうか。設計基準強度、呼び強度、適用の期間といった現場担当者がよく確認する項目だけでなく、配合計画書にはその名前の通り配合計画、つまり各材料の割合が記載されています。

呼び強度27N/㎟(設計基準強度Fc24)、スランプ18cmのコンクリートの配合計画は以下のようになっていました。
1㎥あたり、セメント:331kg、水:182kg、細骨材:894kg、粗骨材:897kg、混和材:0kg、(混和剤:2.32kg)

したがって、コンクリート1㎥を作るための材料重量は、合計で2,304kgとなります。なお、この中で混和剤は、水の一部として扱われるので、重量には含みません。
また、実際のコンクリートには空気量が4.5%程度含まれることになりますので、95.5%の重量として、およそ2,200kgと考えてもよいかもしれません。

ちなみに、高強度コンクリートである管理強度48N/㎟(設計基準強度Fc42)でも、私が採用したことある配合では2,307kgとなりました。高強度に関しては各配合で全く異なった数値にはなってくるかと思います。なお、高強度コンクリートの場合、目標空気量は少なく設定しますので、基本的には普通コンクリートより比重は大きくなります。

鉄筋(鉄)の比重

さて、次に鉄筋の比重を見ていきましょう。
鉄筋つまり鉄の比重としては、一般に7.85t/㎥が用いられます。

鉄筋もSD295やSD390、鋼材としてもSS400など様々な規定があります。それぞれの規定によって、鉄を構成する化学成分の割合に違いはあるのですが、コンクリートほど影響してきません。

ただ、鉄筋コンクリートとすると、鉄筋はコンクリート1㎥に対しては、単位体積としてはそこまで多く入っていません。
仮に、950mm×1100mmの梁で長さ0.95m、体積としては、0.99㎥に対し、コンクリートおよそ1㎥中の鉄筋量を算定してみましょう。

今回の例では、主筋が25-D25、あばら筋が◫-D13@ 200となっていました。

主筋のD25は1m当たりの重量が、3.98kgですので、3.98kg×25本×0.95m = 94.525kgとなります。

あばら筋は少し計算が必要です。
まず本数は、0.95m当たりに、950/200 = 5本(切り上げ)+1本として、全部で6本入っていることになります。
次に長さですが、あばら筋は曲げ加工やフックを考慮しないといけないですが、今回は梁の周長が帯筋のフックなどを考慮した概算的な長さだと仮に算定しましょう。
そして、D13の1m当たりの重量は0.995kgです。
したがって、あばら筋の重量は縦3本なので、(1.1×3+0.95×2)m×0.995kg/m×6本 = 31.044kgとなります。

コンクリート1㎥中の鉄筋重量は、主筋+あばら筋重量として、およそ125kgとなります。

鉄筋コンクリートの比重の根拠を探る

コンクリートと鉄筋の1㎥中の重量を算定できたので、最後に鉄筋コンクリートの比重2.4~2.5t/㎥について再度確認していきます。

コンクリートがFc24の場合、コンクリート重量2,304kg(材料重量のみ)と鉄筋重量125kgで鉄筋コンクリートの比重は2,429kg/㎥(2.43t/㎥)となります。
なお。コンクリートの空気量を考慮した場合は、2,200+125kgとなり、2,325kgとなります。

これで、計算からコンクリート比重、2.4~2.5t/㎥(2,400~2500kg/㎥)ということが算定できました。

今回は、材料重量から比重を算定しておりますが、実際にはコンクリートであれば配合や施工管理によって数値が変化していきます。また、鉄筋においても柱・梁・スラブなどで鉄筋径が異なってきますので、重量にはばらつきが生じます。
さまざまな文献においても、鉄筋コンクリートの比重は2.4~2.5t/㎥とされていたり、24.5kN/㎥(t換算すると2.5t/㎥)とされています。
検討する部位に応じて変わるということは念頭においておきましょう。

おわりに

鉄筋コンクリートの比重について、一般的に用いられる数値とその数値を導く根拠を深掘りしていきました。

実務においては、普通コンクリートは2.3t/㎥、鉄は7.85t/㎥、鉄筋コンクリートは2.4~2.5t/㎥ということを理解していればよいのでしゃないでしょうか。

仕事をしていくと様々な数値が出てきます。なぜこの数値なのか、なぜこの基準なのかを深掘りすることで理解も深まり、身につく知識になっていくと思います。
数値根拠を探って、技術根拠を持った施工計画ができるようにしていきましょう!!

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