JIS規定の高強度コンクリートと建築現場での高強度コンクリートの違い

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高強度コンクリートのJISとJASS5での定義の違い

今回は、コンクリート用語の中の「高強度コンクリート」について日本工業規格(JIS)とJASS5での違いを解説していきます。

コンクリートは生コンの状態で現場に納入され、硬化し、強度が発現してから材料としての性能が初めて確認できる材料です。
製造時に強度試験が完結していていない建築現場でも非常に特殊で、参考にする文献などにより、その判定強度など規定にも違いが生じています。

用語の違いもその一つで、材料としてのコンクリートのことを言っているのか、実際に打ち込まれたコンクリートのことを言っているのか確認しておかないと、同じ言葉でも意味がことなることになります。

JASS5での高強度コンクリートの定義

まずは、現場管理する上で、なじみがあるJASS5での高強度コンクリートの定義です。高強度コンクリートとは、設計基準強度Fcが36N/㎟を超えるコンクリートのことです。

建築現場の標準仕様書として参考文献とされることが多いJASS5では、高強度コンクリートという項目があり、品質・配合・試験といった現場管理の規定が定められています。

なお、標準仕様書としては、他にも公共建築工事標準仕様書があります。
標仕のコンクリート工事の節には、設計基準強度が36N/㎟以下のコンクリートに適用すると記載があり、高強度コンクリートでは管理が異なることから適用外となります。

したがって、設計基準強度Fcが36N/㎟を超えるコンクリートにおいては、設計図書とJASS5を確認する必要があります。

JISでの高強度コンクリートの定義

一方、日本工業規格(JIS)での高強度コンクリートの定義です。

JISでは、高強度コンクリートを呼び強度45N/㎟を超えるコンクリートと定義しています。

JISは、あくまで材料としての定義です。
建築現場で言うと、生コン工場で練混ぜして、現場に運ばれ、生コン車(アジテータ車)から荷卸しするまでが対象ということになります。

材料の定義ですので、設計基準強度や構造体補正値S値などは考慮せず、あくまで製造した設定強度(呼び強度)として定義しています。

普通コンクリートと高強度コンクリートの管理の違い

建築現場においては、設計基準強度が36N/㎟までを普通コンクリート、設計基準強度が36N/㎟を超えるものを高強度コンクリートとして定義されています。

なお、普通コンクリートという言葉は厳密にはありませんが、区別しやすいようにここでは、普通コンクリートとします。

また、コンクリートの区別は、強度以外にも、打込む躯体の体積によりますコンクリートや打設する時期の外気温などにより暑中コンクリートや寒中コンクリートといった区分もあります。

さて、話を強度の違いにもどして、
普通コンクリートと高強度コンクリートは、材料、調合、品質など様々な規定に違いががありますが、現場管理において注意しておくべき大きな違いは、コンクリート供試体の採取方法の違いになります。

普通コンクリートは、打設日・工区ごとで打設数量150㎥以下となるように均等に分けた数量ごとにコンクリート供試体を規定のタイミング、本数採取します。

一方、高強度コンクリートは、打設日・工区ごとで打設数量300㎥以下となるように均等に分けた数量ごとにコンクリート供試体を規定のタイミング、本数採取します。

ここで、書いているように、規定のタイミング、本数というのも普通コンクリートと高強度コンクリートで全く違います。

150㎥と300㎥以下という数量の違いがありますが、その中で作成する供試体の本数は高強度コンクリートのほうが多いので、試験頻度が少ないというわけではありません。

供試体採取の違いを細かく書いているとコンクリート供試体の採取だけで別記事として書かないとまとめきれませんので、ここでは違いがあることだけを認識いただければと思います。

用語の定義を様々な文献で混同しないことが重要

コンクリート工事に限らず、現場管理していく上では、設計図書をはじめ、様々な文献を参照していくことが必要になります。
言葉の定義はこの図書から、試験方法はこの図書からと良いとこ取りしてはいけません。

普通に考えれば当たり前のことですが、現場管理していく上で様々な文献を確認してい勘違いから良いとこ取りしてしまう場合も多くあります。

現場管理においては、設計基準強度36N/㎟を超えるコンクリートは高強度コンクリートとなります。

例えば、Fc39N/㎟のコンクリートで構造体補正値S値が6N/㎟であった場合、調合管理強度(≒呼び強度は)45N/㎟となります。

呼び強度45N/㎟以下ですが、現場管理においては高強度コンクリートとしての品質管理、検査要領を適用することが必要ににあります。

間違っても、「呼び強度45N/㎟だから、JIS定義の普通コンクリートだ。普通コンクリートの規定で現場管理もしてしまえ。」といった考え・勘違いが生じないように両者の違いは把握しておきましょう。

おわりに

高強度コンクリートという言葉の定義に対し、JISとJASS5での違いを解説しました。

まずは、JISは材料についての規定、JASS5や標準仕様書は現場管理についての規定だという認識を忘れずに持っておく必要があります。

間違っても、設計基準強度から高強度コンクリートとして管理すべきコンクリートなのに、言葉の定義だけをJISを用いて普通コンクリートと同様の供試体採取方法、品質管理を行うといった文献の良いとこ取りがないようにしましょう。

高強度コンクリートのJISとJASS5での定義の違い

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