なぜ足場は幅610mm(600mm)までなのか。

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枠組足場、くさび式緊結足場(次世代足場)など様々な足場の種類がありますが、一般的に足場の幅は610mm、914mm、1219mmとなっています。

これは、尺寸法であるため、メーター単位にするとこの数値になるのですが、そもそも、なぜ最小が610mmなのでしょうか。

足場には半布板しか設けることができない足場ブラケットという部材もあります。
幅610mm以下の足場は法的に不可とする根拠があるのでしょうか。

足場幅のなぜを探っていきます。

足場幅に関する法律

まず足場の構成について考えるときは、労働安全衛生法を確認します。
労働安全衛生法により足場構成などはある程度定められています。足場に関する条文は、労働安全衛生規則の第563条に以下のようにあります。

安衛則563条
事業者は、足場(一側足場を除く。第三号において同じ。)における高さ二メートル以上の作業場所には、次に定めるところにより、作業床を設けなければならない。
一  床材は、支点間隔及び作業時の荷重に応じて計算した曲げ応力の値が、次の表の上欄に掲げる木材の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる許容曲げ応力の値を超えないこと。(表)
二  つり足場の場合を除き、幅、床材間の隙間及び床材と建地との隙間は、次に定めるところによること。
 イ 幅は、四十センチメートル以上とすること。
 ロ 床材間の隙間は、三センチメートル以下とすること。
 ハ 床材と建地との隙間は、十二センチメートル未満とすること。
三 墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には、次に掲げる足場の種類に応じて、それぞれ次に掲げる設備(丈夫な構造の設備であつて、たわみが生ずるおそれがなく、かつ、著しい損傷、変形又は腐食がないものに限る。以下「足場用墜落防止設備」という。)を設けること。
 イ わく組足場(妻面に係る部分を除く。ロにおいて同じ。) 次のいずれかの設備
  (1) 交さ筋かい及び高さ十五センチメートル以上四十センチメートル以下の桟若しくは高さ十五センチメートル以上の幅木又はこれらと同等以上の機能を有する設備
  (2) 手すりわく ロ わく組足場以外の足場 手すり等及び中桟等四  腕木、布、はり、脚立(きゃたつ)その他作業床の支持物は、これにかかる荷重によつて破壊するおそれのないものを使用すること。
五  つり足場の場合を除き、床材は、転位し、又は脱落しないように二以上の支持物に取り付けること。
六 作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、高さ十センチメートル以上の幅木、メッシュシート若しくは防網又はこれらと同等以上の機能を有する設備(以下「幅木等」という。)を設けること。ただし、第三号の規定に基づき設けた設備が幅木等と同等以上の機能を有する場合又は作業の性質上幅木等を設けることが著しく困難な場合若しくは作業の必要上臨時に幅木等を取り外す場合において、立入区域を設定したときは、この限りでない。
2 前項第二号ハの規定は、次の各号のいずれかに該当する場合であつて、床材と建地との隙間が十二センチメートル以上の箇所に防網を張る等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じたときは、適用しない。
一 はり間方向における建地と床材の両端との隙間の和が二十四センチメートル未満の場合
二 はり間方向における建地と床材の両端との隙間の和を二十四センチメートル未満とすることが作業の性質上困難な場合
3 第一項第三号の規定は、作業の性質上足場用墜落防止設備を設けることが著しく困難な場合又は作業の必要上臨時に足場用墜落防止設備を取り外す場合において、次の措置を講じたときは、適用しない。
一 要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる措置又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること。
二 前号の措置を講ずる箇所には、関係労働者以外の労働者を立ち入らせないこと。
4  第一項第五号の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
一  幅が二十センチメートル以上、厚さが三・五センチメートル以上、長さが三・六メートル以上の板を床材として用い、これを作業に応じて移動させる場合で、次の措置を講ずるとき。
  イ  足場板は、三以上の支持物に掛け渡すこと。
  ロ  足場板の支点からの突出部の長さは、十センチメートル以上とし、かつ、労働者が当該突出部に足を掛けるおそれのない場合を除き、足場板の長さの十八分の一以下とすること。
  ハ  足場板を長手方向に重ねるときは、支点の上で重ね、その重ねた部分の長さは、二十センチメートル以上とすること。
二  幅が三十センチメートル以上、厚さが六センチメートル以上、長さが四メートル以上の板を床材として用い、かつ、前号ロ及びハに定める措置を講ずるとき。
5 事業者は、第三項の規定により作業の必要上臨時に足場用墜落防止設備を取り外したときは、その必要がなくなつた後、直ちに当該設備を原状に復さなければならない。
6  労働者は、第三項の場合において、要求性能墜落制止用器具の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。

出典:労働安全衛生規則

ここでは、足場全体の幅として、610mm、914mm、1219mmといった項目は記載されておりませんでした。

作業床の定義

それでは、この条文を具体的に噛み砕いてみましょう。

まず、作業床、つまり布材は、どういったものを言うのでしょうか。
足場板1枚だけなものは作業床なのでしょうか。

先程の条文の中には以下のようにありました。

二  つり足場の場合を除き、幅、床材間の隙間及び床材と建地との隙間は、次に定めるところによること。
  イ 幅は、四十センチメートル以上とすること。

労働安全衛生規則

つまり、幅40cm以上のものが作業床として定義されています。
したがって、足場の布板のうち半布板(ハーフアンチ)1枚では作業床にはならないのです。つまり、ブラケット一側足場などは必ず安全帯をつけることとはここから来ているのです。

話を足場の幅に戻しますが、作業床として構成するためには、最低でも布板(幅480mm程度)を設ける必要がありますので、足場の幅は610mmという根拠の一つが出てきます。

床材と建枠の隙間

次に条文には以下のような記載もあります。

二  つり足場の場合を除き、幅、床材間の隙間及び床材と建地との隙間は、次に定めるところによること。
  ハ 床材と建地との隙間は、十二センチメートル未満とすること。

労働安全衛生規則

建枠の支柱と布板の隙間は12cm以下とする必要があります。

つまり、法を満たすためには布板幅(480mm)+120mmのより幅が狭い足場にしておかないと、足場を組む時に毎回隙間が12cm以下であることを確認して、その後もずれないように番線固定などする必要が出てしまいます。

人体スケールからの作業幅

また、人の肩幅はおおよそ40cm強と言われています。

そこに安全帯や資材を持っていると考える600mm程度は最低でもないと通行が困難になります。

まとめ

作業床の規定、作業床と建枠支柱の規定、人体スケールと作業幅これらから紐解く

外周歩けるような足場としては幅610mmが最低限の幅であることが見えてきました。

これ以上狭くなると通行が困難ですし、作業床として満足してませんので、墜落防止の観点からも作業の際は必ず安全帯が必要になります。

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