コンクリートは建築工事をするうえで、代表的な建材の一つです。
また、建築現場いおいて、コンクリート打設に向けて各種手配やコンクリート打設時の立会い・管理は時間が拘束されることか若手現場監督の担当工事となることが一般的です。
しかし、コンクリートはほかの建材と異なり、納入時は未固結のコンクリートで養生期間を経てはじめて所定のコンクリート強度の発現が確認できる特殊な建材でもあります。
そこで、コンクリートにはその状態によって、さまざまなコンクリート用語が存在しています。
今回は、コンクリートの状態による呼び方であるレディーミクストコンクリートについて説明していきます。
コンクリート用語や各種文献による違いを少しずつ理解してコンクリートマスターを目指しましょう。
レディーミクストコンクリートとは
まず、今回のテーマであるレディーミクストコンクリートの言葉の定義をしておきます。
レディーミクストコンクリートは、生コン工場(プラント)で製造(練り混ぜ)され、工事現場に運送されるコンクリートの名称です。
生コン工場で練り混ぜされた商品の一般名というニュアンスが近いかなと思います。
また、工事現場に運送されるコンクリートですので、まだ未固結状態のコンクリートです。
そのため、レディーミクストコンクリートは、生コンクリート、生コン、フレッシュコンクリートと呼ばれることもあります。
レディーミクストコンクリートは英語表記で、「ready-mixed concrete」となります。
カタカナがそのままですが、「ready-mixed」のreadyは「準備や用意ができた」という意味になります。
ready-mixedで「練り混ぜ済みの、成分調整済みの」といった意味になります。
生コン工場で所定の配合で練り混ぜされたコンクリートであることを意味しています。
生コンクリートとの違い
用語の説明の中で、生コンクリートと呼ばれることもあると記載しましたが、厳密なことを言えば、生コンクリートとレディーミクストコンクリートは少し意味合いが違います。
コンクリートは現在では生コン工場で練り混ぜしてから現場に搬入されることがほとんどですが、かつては、コンクリートを現場練りしていました。
現在でも、間仕切り壁の立ち上がり躯体など、少量のコンクリートを現場練りすることもありますが、メイン躯体の材料であるコンクリートを現場練りしていたことを考えると、かつての工事現場って非常にハードだったんだなと思います。
さて、レディーミクストコンクリートは生コン工場で練り混ぜされたコンクリートのことです。一方、生コンクリート・生コン、フレッシュコンクリートは、練り混ぜ製造された未固結状態のコンクリートのことです。
つまり、レディーミクストコンクリートは、生コンクリートの一種ということができます。
JIS規格による名称
なぜ、わざわざレディーミクストコンクリートという言葉が存在するかというと、レディーミクストコンクリートが日本工業規格(JIS)でJIS A 5308として、定義されているからです。
JISでは、レディーミクストコンクリートを「卸し地点まで配達されるレディーミクストコンクリート」としています。
JISは工業製品としての規格ですので、対象は工事現場に納入するまでが対象です。
したがって、納入した後(受け入れ試験後)は工事現場の責任で適正に管理・打設・養生する必要があります。
現場管理で用いる用語
現場管理する上で、わざわざレディーミクストコンクリートことは稀です。
通常は、生コンまたは単にコンクリートと呼ばれることがほとんどです。
ただ、JISで定義されて用語であることから、生コン工場からの配合計画書であったり、生コン工場に品質管理など行った際は、JISに合わせ書類などではレディーミクストコンクリートと記載されています。
名称の一つとして、理解しておけばいいかなと思いますし、レディーミクストコンクリートと書かれていても、なんとなくその意味は分かります。
また、レディーミクストコンクリートを略して「レミコン」と呼ぶこともあります。ただ、レミコンとすると、太平洋セメントの商標名称となってしまいます。
まぁ商品名が一般化したものってたくさんありますので、あまり神経質にならなくてもいいかなとは思います。
おわりに
レディーミクストコンクリートについて解説しました。
コンクリートはJIS規格された工場製品として名称と標準仕様書などの現場管理する上での名称が同じことを指しているけど違う呼び方で呼ばれているものもあります。
材料としてのコンクリートなのか、品質管理する対象としてのコンクリートなのか。
この違いをしっかりと確認して、たくさんあるコンクリート用語に惑わされないようにしましょう!
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