通水菅・通気菅とは
まず通気菅・通水菅とは、建築物の地下ピットの大梁に設けられる孔です。
地下ピットは基礎大梁により一つ一つのピットが分断されています。
そこで、その名の通り、水・空気を隣り合うピットに伝えるための貫通孔になります。
孔ですから、通気孔・通水孔が名称としては正しいかも知れませんが、ここでは菅で統一します。
通常、通水管は基礎梁の下端に半割りにした塩ビパイプが用いられます。一方、通気管は、梁の中央付近に塩ビパイプを取付けます。
通水管の役割
通水管の役割は、ピット内にたまる湧水などを隣のピットに送ることです。
閉鎖された空間となるピットに対し、湧水などの地下ピットに溜る水を隣り合うピットに流し、最終的に汲み上げ用のポンプが設置されているピット(集水枡)まで流し、排水するためのものです。
通気管の役割
次に通気管です。先ほども述べましたように、通気管は空気を動かすために設けられています。
では、何故空気を動かす必要があるのでしょうか。
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新鮮な新鮮空気を送って酸欠を防止するため?
いえ、違います。
基本的な役割は、水を動かすためです
地下ピットの体積は、水があろうとなかろうと同じです。
つまり水が隣り合うピットに移動するためには、水の分、空気が今水があるピットに移動する必要があります。
もし、完全に密閉された空問だとすれば、水が動こうとしても空気が水を押し返してしまうのです。
実際は設備配管用のスリーブなど様々な隙間が生じているのですが、それらが全て埋まってしまったとしても空気が動くように通気感があるのです。
また、常に貫通孔となる人通孔があるピットでは人通孔が通気孔を兼ねることができるので、通水菅だけを設けます。
まとめ
私自身勘違いしていた“最近知ったシリーズ”です。建設現場で見かける一つ一つのものに、これは何?何故?を意識すると新たな知識が身につきます。
さらに、役割を知っておくことで、取り付け忘れ防止にも繋がってくれるとさいわいです。
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