SD295とは?異形鉄筋の鋼種の違いを解説

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鉄筋には、SD295、SD340といったといった種類があります。今回は、SD295に絞り、その種類と機械的特性や建築において用いられる用途を説明していきます。

また、JIS規格改定に伴い、名称変更となったSD295Aとの違いも紹介しています。

SD295とは

SD295とは、異形棒鋼のJIS規格の種類の一つです。鉄筋コンクリート造などで用いる異形鉄筋(異形棒鋼)はJIS規格品を用いることが必要です。

JIS規格により、各社が製造している異形鉄筋がある一定以上の性能を有していることになります。

SD295のうち、SDは、「Steel Deformed bar」の頭文字になります。直訳すると「変形された鋼棒」となり、異形鉄筋であることがわかります。

SD295のうち、295は、下位降伏点のJIS規格値「295N/㎟」を示しています。

SD295Aとの違い

これまで、建設現場においては、SD295ではなく、SD295Aという呼び方のほうが聞きなれているかもしれません。

異形鉄筋のJIS規格である「JIS G 3112:2010(鉄筋コンクリート用棒鋼)が2020年4月20日に改正され、「JIS G 3112:2020」となりました。

この際に、これまでSD295A、SD295Bと規格されていた異形鉄筋が、SD295Bが廃止となり、SD295AはSD295と名称が変更になりました。
※ここでは、割愛しますが、JIS規格改正により、追加・廃止・変更となった種類はSD295だけではありません。

SD295AからSD295と名称だけでなく、化学成分の規定項目に追加がありました。SD295はSD295Aに比べ機械的性質に規定の違いはなく、化学成分の規定はより厳しいものとなっています。

SD295はSD295Aより厳しい規定ですので、工事監理者への報告は必要ですが、SD295の使用についてはあまり問題がないと考えられます。

ただ、今後、設計図書にSD295と記載されているのにSD295Aの規格の鉄筋を納品・使用したという場合は、化学成分の規定を確認できないので、問題となる可能性があります。

SD295とSD295Aの違いは、別記事でもエントリーしています。あわせてご覧ください。

性能

さて、SD295の種類、諸性能に話を戻していきます。

まずは、SD295だけでなく、異形鉄筋(SD)、丸鋼(SR)、溶接金網の許容応力の一覧を見てみましょう。

構造計算に用いる、許容応力度は、上表のようになります。

JIS規格であることら、メーカーごとにその性能に多少の違いはありますが、降伏点の規格が決められています。構造計算においてはメーカーの違いは考慮せず、規格値である降伏点を採用します。

ここでわかるように、SD295の295は短期許容応力度=降伏点を示しています。
なお、長期許容応力度は、短期許容応力度の2/3の値となります。

構造計算をする際は、もっぱら引張許容応力度を用いて計算します。

鉄筋コンクリート造は、鉄筋とコンクリートの複合構造でありますが、それぞれの長所長所・短所を補う構造となっています。

梁の強度計算において、曲げモーメントを算定する公式として、M=at・ft・jという公式があります。ここで、ftが鉄筋の引張許容応力度を示しています。

JIS規定

SD295は日本工業会規格(JIS)であるので、降伏点や引張強度といった性能値またそれを測定するための試験方法が規定されています。
また、SD295を構成する鋼鉄に対しても成分の%が規定されています。

SD295の機械的性質

SD295の機械的性質は以下のようになります。

異形棒鋼は降伏点に下限が規定されており、引張強さは一定の範囲内となるように規定されています。

SD295の化学成分

SD295に限らず、鉄鋼類は構成する化学成分による硬さや靭性などに影響を与えます。
そこで、SD295の品質を一定に保つためにも化学成分の割合が規定されています。

この化学成分自体は、施工管理する上では特に覚えておく必要はないかと思います。
ただ、この化学成分自体もこの化学成分自体も「JIS G 3112:2020」の改定により規定が変わっていますので、SD295Aから変更になったという点くらいは認識しておく必要があります。

異形鉄筋のSD295の見分け方

異形鉄筋には、鉄筋径と製造メーカー、そして材料種別が表示されています。これを圧延マークと言います。

SD295やSD345といった材料種別を確認するには突起の数で判断します。

SD295は突起無しが判断となりますので、現場で鉄筋材が搬入されたときに、タグの確認と圧延マークの確認を行うようにしましょう。

SD295の使う場所

異形鉄筋の採用種別は設計図書の構造特記に記載されています。
一般的には、D10~D16までの径の鉄筋に採用されていることがほとんどです。

規定の降伏点が比較的低いので、スラブやせん断補強筋での採用が主となっています。

いずれにせよ、必ず設計図書を確認して、径ごとの鉄筋種別を確認するようにしましょう。

まとめ

異形鉄筋の材料種別SD295についてJISの規定を中心に説明してきました。
仮設構造計算をするうえでも鋼材種ごとに規定されている降伏点を用いることになりますので、種別を把握しておくことは重要です。

また、現場管理においても設計図通りの異形鉄筋が使用されているかは重量な管理ポイントになります。
材料としてどの鉄筋が搬入されたのか、そして実際の現地でどの材料が何本で柱・梁を組立されているのか設計図を確認して、工事記録として納めておくようにしましょう。

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