chatGPT。
最近話題ですね。
そんなChatGPTに「異形棒鋼のJIS規格であるSD295」について聞いてみました。
果たして、ChatGPTの回答はどういものだったのか、回答とその正誤を照らし合わせていきます。
また、ChatGPTは、建築業界で使えるのかといった全体の話にも踏み込んでますので、参考にしてみてください。
ChatGPTとは
まずは、簡単にChatGPTの説明。
chatGPTとは、OpenAIが開発したAIチャットサービスです。
人間からの問いかけに対して、AIが答えを返してくれます。また、人間からの問いかけも、質問だけでなく、要約も行ってくれます。
OpenAIは、マイクロソフト社が多額の出資をしたり、Googleも対抗するようにAIチャットサービスを展開したりとこれからのAIチャット市場・検索エンジン市場を踏まえ広がりを見せていくと思います。
chatGPTにSD295聞いてみる
さてそれでは、早速chatGPTにSD295について聞いてみます。
「SD295」だけだと、さすがにわからないので、「異形棒鋼」や「JIS規格」といった特定のワードも含みました。
結果は、以下の通りです。
chatGPTの回答を正誤判定
さて、この内容がどの程度のものなのか見ていきましょう。
強度規定の回答(不正解)
鋼材の強度を示す総合的な指標である引張強さが、最小でも29.5kgf/㎟以上である。
これは誤りです。
引張り強さを鋼材の強度を示す総合的な指標と定義することも誤りですが、何よりSD295は、下位降伏点の強さが295N/㎟以上です。 単位が昔のkgfになっていることは、この際置いておきます。
引張強さと下位降伏点は全く別物です。
SD295の場合、引張強さの規定は440~600N/㎟とされています。
形状既定の回答(不正解)
形状:六角形、八角形、十二角形、丸棒など異なる形状の異形棒鋼があります。
これは、何を言ってるのかわかりませんね。
異形棒鋼は軸方向に連続したリブが付いており、軸方向以外に節が付いたものと定義されています。
六角形や八角形と記載しているものはおそらく棒鋼のJIS規格(JIS G 3191)から、掲載しているのかと思いますが、鉄筋の種類の一種である丸鋼とは別のものです。
正しくは、丸棒または異形棒鋼の形状であるが正しい答えです。
化学成分既定の回答(惜しい、不正解)
化学成分:化学成分に関する要件が規定されています。炭素(C)の含有量は0.25%以下、(以下略)
これは、惜しいですが正解ではありません。
化学成分の規定があることは確かです。
さらに規定の化学成分の項目はあっていますが、その含有比率の規定は異なります。
SD295の場合、炭素(C)は0.27%以下というのが正しい規定です。
使用される場所についての回答(不正解)
SD295は建築材料や機械部材、自動車部品などに使用されます。
これも誤りですね。
異形棒鋼はそもそも鉄筋コンクリート用棒鋼としての規定ですので、この中であれば建築材料にしか使用しません。
もちろん、仮設材などとして、他の分野でも使用することはあるでしょうが、規定の範疇ではありません。
ChatGPTがこれからは流行る
ChatGPTいかがでしたか?
「全部、不正解じゃないか!こんなもん使い物ならん」と思ったでしょうか?
ただ、これはSD295について聞くと、1分足らずでこの回答を提示してくれてます。
そして、回答の内容は実際に誤りだらけなのですが、言ってることはそれっぽいこと言ってますし、建築の知識がない方がこれを聞いたら「へぇ、そうなんだ」と納得してしまうのではないでしょうか。
まずはChatGPTでの検索結果は誤りが多く、鵜呑みにしてはいけないことを理解してもらいたいです。
ChatGPTは、文書生成AIですので、ネットなどあふれかえっている情報を整理して文章とまとめてくれる力にたけています。
なので、これからは、わからないことは、ググるという時代でしたが、ググった結果、いくつかのサイトを参考にして要約してくれたのがChatGPTと考えてもいいでしょう。
さらに、AIですので、このような検索結果をもとにさらに精度が向上していくことが期待されています。
いつかググる時代も終わり、わからないことはAIに聞くという時代が来るかもしれません。
建設業界はネットに情報があまりにもない
このサイトを閲覧いただいているということは、建築・建設に関する情報をググってたどり着いたと思います。 建築の情報ってネット上にあまり公開されていないと感じること多くないでしょうか。
僕もそう感じた一人です。 そのため、このサイトを立ち上げたという経緯もありますが。
これまで、建築の情報は、各ゼネコンやメーカーが独自で開発、ノウハウを蓄積しており、限られた情報しか公開されていません。
躯体工事の基本である鉄筋・型枠・コンクリートといった、建設業界で働くものとしては、誰もが知ってることでさえ、「鉄筋 組み方」などで検索してもあまり情報がヒットしません。
さらに、各工事の工法は、日本建築学会やさまざまな協会から書籍では発行されているものネット上には情報がありません。
もちろん、ネット上には誤った情報も多く、すべてを鵜呑みにすることはできませんが、こういった公開・共有化ができていない現状も、建設業界がこれからのDXに向けて今一歩進み切れない要因ではと考えています。
ChatGPTは使えないではなく、使い方を知る
最後に、ChatGPTに話を戻します。
ChatGPTは、先ほど説明した通り、ネットなどのあらゆる情報を要約してくれるAIです。
SD295については、JIS規格ですので、JIS本文がネット上には公開されています。
また、私も何本かSD295についての記事を掲載しています。
これらの情報を総ざらいして、まとめてくれるので、今回の回答のような関連する他の鋼材JIS規格に載っている内容を掲載したり、引張強さと下位降伏点を誤認したようになんとなく説明はあってそうだけど、内容を確認すると間違っているということが生じてしまいます。
でも、それは建築の世界が共有化されていないことの裏返しでもあると思います。
もちろん、今後共有化が進んだとしても日本と海外では法律も異なるので、ChatGPTのような全世界で使用される共有化までは難しいと思います。
では、他の業界ではどうでしょうか。
私は、プログラミングの勉強・スキル習得をここ数年行ってますが、IT業界というのは、ネット上に情報がたくさんあるものの代表格ですね。
例えば、ChatGPTにプログラミングのことでの困りごとを質問すると、その解決策として、実際のコードまで提示してくれます。
もちろん、この回答もそのままコピペで使えるというものではありませんが、いくつものサイトをググって情報を調べるより、まず、ChatGPTで調べて、プログラミングのコードを一部見直すという方が早いこともあります。
要は、使い方だと思います。
建設業界のことについて、ChatGPTに正解を求めるうな使い方をするのはまだ早いです。
ただし、例えば、エクセルの使い方とかを聞いてみるとよさげな回答もくれます。
私もChatGPTの全容は全く把握できていませんが、ChatGPTがどういったところから情報を収集して、私たちに提示してくれてるかを知ることが重要です。
ChatGPTを適材適所で使いこなすというのが、ベストかと思います。
おわりに
最近、話題のChatGPTにSD295について聞いてみました。
結果はお伝えした通り、まったくもって間違いだらけです。 間違っても、ChatGPTに聞いてみてそのまま鵜呑みにするということはないようにしてください。
ただ、技術の進歩がどこまで来るかわかりませんね。 もしかしたら、本当にググる時代が終わる日が来るかもしれません。そうなってしまうと、私のこのサイトは大打撃です!!
これからも有益な情報を発信し続けて、AIに取って代わられることがないように精進します。
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